2020/04/02
就労継続支援とは?A型とB型の違いや就労移行支援との併用について解説します
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「障害を持っていても働きたい」と思ったときに利用できるサービスのひとつである「就労継続支援」。就労継続支援は障害を持つ方に対して必要な支援をしながら、働く場所を提供するサービスです。今回は、就労継続支援の内容や就労継続支援A型・B型の違い、就労移行支援との併用について解説します。
就労継続支援とは?
就労継続支援とは、一般企業などの通常の事業所に雇用されることが難しい方に対して働く場所を提供するサービスです。一般の企業で働くことが難しくても、支援があることで継続して働ける方が主な利用対象です。利用期間の制限はありません。
就労継続支援事業にはA型とB型があります。次に、就労継続支援A型/B型の違いを見ていきましょう。
就労継続支援A型
一般企業での就労が難しい方に対し、雇用契約を結びながら一定の支援を行うサービスです。
就労継続支援A型の利用対象者は、企業への就労を希望する人に向けて就職前・就職後のサポートを行う「就労移行支援事業」を利用したものの雇用に結びつかなかった方や、特別支援学校を卒業したが雇用に結びつかなかった方、過去に企業での就労経験があり、現在雇用されていない方です。
雇用契約を結ぶため、原則として最低賃金以上の給与が支払われます。
就労継続支援B型
一般企業での就労が難しい方に対し、雇用契約を結ばずに一定の支援を行うサービスです。就労継続支援A型とは、雇用契約を結ばない点と、利用対象者に違いがあります。
就労継続支援B型の対象者は、過去に就労経験があり、年齢や体力から一般企業に就職することが難しい方、50歳以上の方または障害基礎年金1級を受給している方です。加えて、これらに該当しなくても就労移行支援事業者などによって就労面に課題があると評価された方も利用対象となります。
就労継続支援A型と異なり、B型では雇用契約を結ばないため、給与の代わりに生産物への「工賃」が支払われます。
就労継続支援A型とB型の「比較表」
就労継続支援A型B型の違い
A型 | B型 | |
雇用契約 | あり | なし |
賃金 | 給料が支払われる | 工賃が支払われる |
対象者 |
|
|
利用期間 | 定めなし | 定めなし |
就労継続支援はA型とB型のどちらがよい?
就労継続支援においてA型とB型のどちらがよいのか、一概には言えません。両者で利用対象者や雇用契約の有無が異なるからです。
A型では雇用契約を結ぶため、収入や保険の面で安心感があります。一方、B型ではA型のように最低賃金を保障される雇用契約はないものの、自分のペースで働くことができるというメリットがあります。
就労継続支援は就労移行支援と併用できる?
障害のある方の就職をサポートする「就労移行支援」と、就労継続支援を併用できるのか気になる方も多いでしょう。一般的に就労継続支援と就労移行支援を併用することはできないとされています。
就労継続支援が今すぐ一般企業に就職することが不安、または困難な方が対象であるのに対し、就労移行支援は一般企業への就職を希望する人を対象にしています。
就労移行支援の利用は2年の上限があるため、体調や年齢などを考慮しながら利用するタイミングを検討する必要があります。一方、就労継続支援であれば利用期間に制限はありません。そのため、まずは就労継続支援の利用から始めて、その後に就労移行支援を利用して就職をめざすパターンも考えられるでしょう。
就労継続支援と就労移行支援のどちらを利用するか迷ったら、就労継続支援事業所や就労移行支援事業所に相談してみるとよいでしょう。
自分に合った就労支援サービスを利用して働こう
就労継続支援は、障害があって今すぐ一般企業で働くことが不安な方でも、自分の体調などに合わせて働くことができるサービスです。個々の障害の程度に応じてサポートを受けられるため安心して働くことができます。
障害を持つ方が働くためのサポートサービスは、今回紹介した就労継続支援のほかにもいくつかあります。自分の状況に合ったサービスを利用して、働くための第一歩を踏み出してみてください。
(参考):障害者の就労支援について|厚生労働省