古河電工ビジネス&ライフサポートが導入した「ソーシャルオフィス」とは?社員・ジョブサポーター座談会


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障害者雇用を進めている古河電工ビジネス&ライフサポートが、2023年3月に「ソーシャルオフィス」を導入しました。ソーシャルオフィスとは、キャムコムグループの特例子会社である綜合キャリアトラストが提供する障害者採用・定着支援サービス。具体的にどのような働き方につながるのか、古河電工ビジネス&ライフサポートの現場で働く3名にうかがいました。

ソーシャルオフィスとは?

障害者雇用を推進している古河電工ビジネス&ライフサポート株式会社(以下、FBL)が、2023年3月に「ソーシャルオフィスチーム」(以下、SOチーム)を立ち上げました。

これは、キャムコムグループの特例子会社である株式会社綜合キャリアトラスト(以下、綜合キャリアトラスト)が展開する障害者採用・定着支援サービス「ソーシャルオフィス」の導入によって設置されたチームです。

ソーシャルオフィスでは、利用企業内に障害のある社員が業務を行うSOチームを作り、綜合キャリアトラストのジョブサポーターがチームに常駐してサポートを行います。現場での支援ノウハウ提供にあたっては綜合キャリアトラストの障害者雇用コンサルタントや医療・福祉機関とも連携しており、総合的な障害者雇用・職場定着の支援を可能にしています。


画像(左)提供:株式会社綜合キャリアトラスト
図案作成:編集部

ソーシャルオフィスチームでは、障害のある方がどのような働き方をしているのでしょうか。ソーシャルオフィスを導入して1年半が経つFBLの担当者、現場の社員、そしてジョブサポーターの3名にお話をうかがいました。

ソーシャルオフィス導入理由は、法定雇用率との差とノウハウ不足


座談会の様子(左から関根さん、高木さん、山田さん)
撮影:編集部

はじめに、皆様のお仕事内容を教えてください。

FBL・新事業企画室長 山田泰司さん(以下、FBL・山田)
私が主にやっている仕事は、FBL社内の障害者雇用推進全般です。それと、キャリアの自律という観点で古河電工グループのキャリアサポート室と連携して、グループ従業員のキャリア自律支援活動を担っております。

FBL・ソーシャルオフィスチームメンバー 高木さん(以下、SO・高木)
清掃業務と事務補助を行っています。清掃業務はトイレ清掃や流し・給茶機清掃、その他日常で出るゴミを回収しています。事務業務のほうは、求人関係のサイトの入力作業、書類のPDF化、あとは古切手の回収などをしております。

綜合キャリアトラスト・ジョブサポーター 関根茉央さん(以下、JS・関根)
私は、高木さんを含めた障害をお持ちのメンバーからなるSOチームの職場に常駐し、合理的配慮の調整や働く上での困りごとのサポートなど、お仕事がうまく進むように支援をさせていただいております。
あとは、山田さんなど企業の方とお話をしながら、SOチーム向けの業務の切り出しと採用活動のサポートも行っております。

ソーシャルオフィスの導入前の状況はいかがでしたか。

FBL・山田
2015年の法定雇用率が2.0%だったとき、当社の雇用率は1.8%でした。ところが、2019年頃から当社の雇用率が下がりはじめて、法定雇用率との乖離が大きくなっていきました。ソーシャルオフィス導入直前の2022年は、当社の雇用率は1.1%まで低下しました。
退職者も一定数いるなかで、「障害者枠での雇用」の必要性は認識していましたが、積極的な採用活動が出来ていなかったと思っています。
その要因の一つとして、当社は全国に14の拠点がありますが、少人数の拠点での障害者雇用の難しさもあると思っています。

低迷していた実雇用率がSOチーム発足で向上
画像提供:FBL

導入後はどのような変化がありましたか。

FBL・山田
導入後、2023年3月にSOチームが3名でスタートしました。全体の障害者雇用数のカウント8.5の中で、SOチームメンバーの方が3。今年は、カウント12のうち4がSOチームの方です。雇用数は明確に伸びています。

ソーシャルオフィス導入の理由は何ですか?

FBL・山田
2023年頃から、次第に障害者雇用について世間の関心が高まってきました。当社でも、2021年に初めて障害をお持ちの方に限定して募集し、事務スタッフに1名採用しましたが、目標としていた人数には届きませんでした。そうしたときに、ソーシャルオフィスのスキームを知りました。
我々は、障害のある方の雇用において、業務の切り出しとか、採用後にどう支援をすればいいのかとか、そうしたノウハウが全くありませんでした。
ソーシャルオフィスのスキームは、「チームとして」複数名の方の雇用ができるし、そのための業務の切り出しや採用活動もフォローしていただける。
今、関根さんには、入社後の日々の支援、業務フォローやキャリア自律に向けての支援とか、包括的に対応してもらっているので、助かっています。

FBLでの職場環境の整備と業務改善


笑顔で進行する座談会
撮影:編集部

本社と相談し、SOチームの職場環境整備を実施

導入後、環境や体制の整備はいかがでしたか?

FBL・山田
この8階建てのビルが親会社である古河電気工業株式会社(以下、古河電工)の持ちビルで、古河電工関係会社が入っています。高木がさきほど言った「清掃」は、ビルの共有部分・廊下・1階フロア・外周・階段などで行います。清掃以外の業務もありますので、ビルの中に彼らの執務室や備品を置くエリアなど十分なスペースと働く場所の環境を整える必要があり、古河電工と相談しながら進めました。今も、メンバーの人数に合わせてブラッシュアップ中です。

JS・関根
やはり、SOチームとして専用の執務室と休憩兼面談室を用意していただいている点が、環境としては大きなところです。
仕組みとしては、メンバーが無理なく働けるよう1時間ごとの休憩が設けられています。不調時は業務量や内容の調整、決められた休憩以外で小休止を取ること、休憩時間の延長などを認めていただいています。そういった面で、かなり働きやすい環境を整備していただいています。

通院・服薬に関して、休暇・休息などの配慮が必要な場合、SOチームではどうしていますか?

JS・関根
通院状況に合わせて休暇を取ることが可能です。服薬に関しても、頓服服用後に「落ち着くまで小休止を挟みたい」などの希望があれば、柔軟に対応できる環境です。清掃業務などの体力が必要な業務、集中力が必要な事務業務など、出ている症状や不調に合わせて、業務ごとの特徴を考慮して調整することもできます。

日々の業務改善と交流の広がり

高木さんは、SOチームで働き始めてから「楽しいな」「嬉しいな」と感じたことはありますか?

SO・高木
「嬉しいな」と感じることは、1年半経って任せてもらえる仕事量が増えたこと。充実感があって、嬉しいと思っています。清掃業務では、なかなか落ちない大きな汚れや頑固なこびり付きを落とせたとき、「嬉しいな」「楽しいな」と感じています。
6月に会社の行事で駅伝大会があったんですけど、それに出たときも「楽しかったな」と思いました。5キロ走ったんですが、気温の高い日だったのでちょっと大変でもありました(※)。

※古河電工グループでは、グループ各社が参加する、社長杯・健保理事長杯駅伝大会・サッカー大会等のスポーツ大会を実施している

SOチームメンバーの顔やお名前は、FBL本社の方もご存じなんですか?

JS・関根
はい。把握してくださっていて、清掃中やエレベーターでお会いすると、話してくださる方も多いです。駅伝大会の後も「頑張ったね」と声をかけてくれるなど、気にかけてくださっています。

メンバー主体で進めた日々の業務改善と業務マニュアル改定


業務を行う高木さん(左)、備品置き場に掲示されている業務マニュアル(右)
撮影:編集部

高木さんは、これまでの業務でもらった指示や資料で「特にこれは役に立った」というものはありましたか?

SO・高木
「報告する際に、自分の感じたことや改善点、自分の意見も一緒に報告できるといいですよ」というアドバイスです。そこから意識し始めて、自分の中で定着して、できるようになりました。
マニュアルですと、少し前にメンバーとジョブサポーターとで意見を出して、作り直しました。そこでもう一度マニュアルを見返していったので、業務の理解度が高まったかなって思います。

ご自身たちでマニュアルをいろいろ工夫して作成されたんですね。どういったところを工夫されました?

SO・高木
最初の作成から1年くらい経って作り直したんですけど、1年経つと、自分たちの中で効率のいいやり方が結構見つかって。そういう部分を新しいマニュアルに書き入れていきました。

関根さんも改良に関わりました?

JS・関根
もともと業務マニュアルは私の方で作成して、それをもとに業務をしていただいていました。1年経過したところで、立ち上げ期からの変更や、メンバーの中で「こういうふうにやったら効率的だ」という提案が結構出てきて、各人で効率化を考えて動いてくれていることがあったので、「それを全体で共有できたらいいな」と考え、皆で作り直していこうとなったんです。
なので、改良に関して、私はほとんど手を加えていないというのが正直なところです。メンバーが足してくれたものを取りまとめただけですね。

改良された部分を見たとき、「なるほど」と思ったやり方は何ですか?

JS・関根
トイレ清掃でいろんな備品を使いますが、メンバーが業務をしていく中で、「AとBの順番を入れ替えた方が、備品の入れ替えが少ない」などの気づきを発信してくれました。実際に作業を見ても、「そうだよね」っていう発見が多いなと思います。

高木さんは、具体的にどういった改善案を出したことがありますか?

SO・高木
トイレに設置されているペーパータオルを補充する際に、互い違いに入れていかなければならないんです。それで、ペーパータオルの一番上の端を折っておくと、次の方が補充するときに掴みやすい、互い違いに入れやすいとか。そういう、小さなことなんですけど、何か気づいたら言うようにしています。

JS・関根
ちょっとした「やりづらい」という部分に気づいてくださって。「こうした方がやりやすいよね」っていうのを考えてくださる場合もあるし、会話の中で出てくるアイデアもあります。たくさん発信してくださるので、チームとしてかなりプラスに作用しています。

小さな所は「まあ、いいか!」と見過ごしてしまうことも多いですが、その改善が積み重なれば大きな効率化につながりますね。
高木さんはメンバーとのコミュニケーションで気をつけていること、「これはよかったな」と思ったことなどありますか?

SO・高木
気をつけていることは、相手が作業中のときはクッション言葉を使って話しかけることですね。あとは、なるべく自分が気づいている時点で伝えた方がいいことは、忘れないうちに伝えておくことです。
事務業務ですと、求人関係のサイト入力作業で勤務開始日が変更になっている場合があります。ホワイトボードに記入しながら業務をしているんですけど、変更があったものは赤いマーカーで書き出したり、ちょっと違いをつけたりして、一目で分かるように工夫しています。

安定就労の秘訣は睡眠・食事・運動と「楽しみを持つこと」


執務室に掲示されたSOチームとメンバーの年度目標
撮影:編集部

業務でミスを防ぐために行っている工夫はありますか?

SO・高木
一番気をつけていることは、睡眠・食事・運動。この順番で気を使っています。体調のいい状態で仕事をすることが大切かなと思っています。
ミス対策ですと、マニュアルにミスした内容を書き込んでおいて、業務前に確認しています。あとは、毎日レポートを提出しているので、振り返りの時間にアドバイスをもらえるようにしています。

睡眠については、いろんな方がいろいろな課題を抱えてらっしゃると思います。高木さんの場合は、どういった工夫をされていますか?

SO・高木
SOチームには年度目標があるんですけど、昨年度の目標が「夜10時に就寝する」というものでした。それで、仕事が翌日にある日は[就寝時刻から]15分以内に寝ることを自分の中で心掛けていて。その時間内に寝れば、時差ボケみたいなのが起こりにくくなるらしいって本で読んだんです。それで体調が整うというので、実践していました。

実際にその15分以内に寝られていたんですね。

SO・高木
大体、大丈夫でした。睡眠不足を感じたことは、仕事に就いてからないですね。

食事の部分ではどうでしょうか?

SO・高木
栄養面に気を使っていて、3食食べることよりも1日の栄養量を気にしています。

ちなみに、お昼ごはんはお弁当ですか、買ってきますか?

SO・高木
最近は買ってきて、休憩室で食べています。

外で買うと、どうしても栄養バランスがあまり良くないというイメージがありますが、そのあたりはどのように対処されていますか?

SO・高木
「ベースブレッド」っていうパンがあるんですけど、あれは2個食べると1食分の栄養素が摂れるっていうので、それをよく食べています。

JS・関根
日々、サラダも食べていらっしゃいます。

それはいいですね。昼食は結構おろそかになりやすいものですが、しっかり栄養を摂られてますね。
先ほど、関根さんから「休憩時間をこまめに」というお話がありました。高木さんは休憩時間をどのように過ごされていますか?

SO・高木
大体、ストレッチをしているか水分補給か……。あとは、業務の間にメモしていたことがあるときは、それを見返して報告するべきことがあったかどうかを確認しています。

お仕事で「今日は疲れたな」と感じる日はありますか?

SO・高木
あります。僕の場合、帰ってからマンガを読むのが好きなんですけど、読んでるときにちょっとうとうとするなっていうときは、「疲れてるんだな」って。
そういうときでも、大体夜の10時には寝るっていうのが今のところ調子がいいので、[就寝時刻は]そこに合わせる感じで、ズレないようにしています。

サイクルをしっかり守られているんですね。最近、体調を大きく崩したとか、「今日はお仕事を休まなきゃ」ということはありましたか?

SO・高木
先月風邪を引いて高熱が出たので、2日お休みをいただきました。
その日の朝に「ちょっと熱が高いので、このあと病院に行ってこようと思います」という連絡をして、病院に行って。診断結果もショートメールで連絡して、お医者さんの話を聞いたうえで、次の日も休むかどうかを相談しました。

相談を受けたり、業務の調整を行ったりするのは関根さんですか?

JS・関根
そうですね、基本的に報告と相談は私が受けています。清掃に関しては、2〜3名体制でタイムスケジュールが組まれていて、それをメンバーが共有・把握できている状態です。「高木さんがお休みです」となったら、そのマイナス1名のスケジュールで業務を回していく。お休みが出た日は清掃にかかる時間が増えるので、事務の時間が少なくなりますが、業務は問題なく行えています。

高木さんはこれまで、遅刻や早退などはありましたか?

JS・関根
先月の発熱のお休みが初めてですね。有休以外では遅刻・早退・欠勤がゼロです。安定して勤務していただいています。

その安定の秘訣は睡眠・栄養・運動。

SO・高木
そうですね。あとは、楽しいことを用意しておくのが、自分の中では大事かなと思っています。マンガを読むのもそうですし、映画を観るのも僕は好きなので。そういう楽しみを定期的に持てることが、調子のよさにつながっていると思います。

チーム体制のポイントと発足1年半での成長


SOチームの備品置き場(左)と休憩室の一画(右)
撮影:編集部

チーム制のポイントは「見える化」と脱・属人化

関根さんにうかがいます。SOチームのマネジメントで特に気をつけていることはありますか?

JS・関根
一番大事にしているのは「メンバーが主となって業務を行っていただくこと」です。
まずは、日々の業務をしているなかでの気づきや困りごとを発信しやすい環境を作ることを心掛けています。そして、発信していただいたものに対して、課題の解決方法やメンバーからの改善提案をなるべく形にしています。
そうすることで、業務をただ行うだけでなく、「こうした方が効率的」「他のメンバーがやりやすい」などと考えながら、皆さんが業務をしてくださるようになりました。

仕事をしやすくする、情報をより理解しやすくするための工夫はありますか?

JS・関根
情報の視覚化、「見える化」を一番意識しています。
あとは、メンバー自身で取っていただいているメモを有効活用できるように、メモを確認するタイミング、メモの取り方・内容などを必要に応じて指導させていただいています。
また、定期的に業務の全体共有・振り返りをするので、チーム全体で共通認識を持てるようにもしています。

メモのフォーマットなどはありますか?

JS・関根
いえ、特に用意はしていません。持ち歩き用の小さいノートを使っている方もいますし、高木さんは四角い付箋を使っています。付箋に書いて、必要に応じてマニュアルに貼ったり、パソコンに貼ったり。一人ひとり、ご自身に合った方法で取り組んでいただいています。

メモの取り方では、どのような指導を?

JS・関根
メモを書く位置だったり、書いてほしい内容などを伝えたりします。パソコン作業であれば、忘れないように「パソコンに貼っておくと目に入るんじゃない?」とか。そういったちょっとしたことを指導させていただいています。

高木さんは、メモの取り方で工夫していることはありますか?

SO・高木
僕の場合、毎日使う同じような内容は、自分が見て分かる範囲で省略しています。あとは、任せてもらっている件数などの数字は、しっかり間違えないように意識しています。

SOチームではダブルチェック体制をとっているとうかがいました。その趣旨は「責任を1人に負わせない」とのことですが、そのメリット・意義はどういったものでしょう?

JS・関根
実際に作業をする人は1人かもしれませんが、チームで仕事をしている認識をメンバーに持ってもらっています。ダブルチェックをすることで、チームとして作業上のミスを減らせます。「作業が正しくできているのか」と不安に感じる方も多いので、その不安感を軽減させる目的も大きいかなと思います。
あと、メンバー間でのダブルチェックで、他のメンバーのミスの傾向も知ることができます。それが「今度自分が業務をするときに気をつけよう」っていうきっかけになります。慣れてきてからは、メンバー同士で指摘し合ったりしていただいています。
業務上のコミュニケーションが多く取れるという点も、プラスに作用しているかなと思います。

一人ひとりに業務を任せていく形とチームで一緒に働く形の違いや、気をつけるポイントはありますか?

SO・関根
障害の有無にかかわらず、チームで働く場合は自己理解と他者理解が重要だと感じます。自己を受け入れ、他者を受け入れることができれば、協力しながら業務に臨めるので。今のメンバーは、そういったところがしっかりできているので、お互いに気を遣いながら業務を回せていると思います。

山田さんはチームを俯瞰的な視点でもご覧になっていると思います。その協力体制について、いかがでしょうか。

FBL・山田
「この人は清掃、この人は事務」っていうことではなくて、チームのメンバーが皆、均等に同じ仕事ができるように、配置・育成をしています。だから、メンバーが有給・欠勤のときも、「この人じゃないとできない」っていうことがない。全員で仕事のレベルを高め、枠を広げています。
SOチームはまだ1年半。今後もブラッシュアップしていきますが、現状もすごくいいと僕は思います。

高木さんは、いかがですか?

SO・高木
皆で仕事をしているとミスは出るので、そういうのを他の方から学べます。
あとは、チームでやっていくうえで、周りの方のクセを知っていくと、仕事をやりやすくなるかなと感じています。清掃業務ですと、一緒に片付けをするときに、片付ける手順がその人によって違います。「この人はこういう手順だから、自分はこういうのを用意したらどうかな」と、そういう感じです。
皆で成長していきたいなっていうのを感じています。

チーム発足から1年半で感じるメンバーの成長

高木さんの成長やスキル向上で実感したエピソードなどはありますか?

JS・関根
自発的な行動が増えたと感じています。もともと報告はできる方なんですが、イレギュラーなことがあった時に、「今こういう状況なので、こうしようと思うんですが、いいですか」とか、「こうした方がいいと思います」っていうようなことを付け加えて話してくださるようになりました。
そうした積極性や自発的に考えて行動するところは、入社前と比べて、成長したと感じています。

高木さんから他のメンバーを見て「この人、すごく成長したかもしれない」と感じることはありましたか?

SO・高木
業務報告してくれる際に、分かりやすくメモに書いたものを渡してくれるので、ダブルチェックを行うときに分かりやすいです。「一緒に仕事してて、やりやすい環境になってきたかな」って感じています。

高木さんから他のメンバーにアドバイスをすることはありますか?

SO・高木
自分が改善提案をするときは、全体でできることを皆に向けて伝えて、皆が仕事面で成果を出せるようにお話しします。

高木さんは、さきほどのトイレのペーパータオルのような細かい部分もチーム全体も見るという、両方の視点をお持ちなんですね。

SO・高木
多分、自分がずぼらな性格っていうのもあるから、「サボらないんだけど、ラクができるように」っていう感じで、「よくできるところないかな」って考えています。

山田さんから見て、SOチームや高木さんの成長はいかがですか?

FBL・山田
日頃私は7階にいてSOメンバーは6階にいるんですけど、ビル内で偶然会ったり、お昼に私がSOチームの所に寄って話したりするときに、反応よく会話が進むようになりました。「今日のお昼、何食べた?」とか、体調不良のときに「その後どう?」とか。とっさの反応ができて、だいぶ仕事に慣れたと感じます。
SOチームから月初にメールで送られてくる月報というものがあります。前月の業務についての実施事項や所感をメンバーが作成して、FBL関係者に配信されます。そこには業務の所要時間や処理件数など定量的な情報とともに、「どんな点で苦労したか」、「来月はこんなやり方に改善してみたい」といったコメントも記載されているのですが、そこから仕事へ前向きに取り組んでいる姿勢が伺えた時に成長を感じます。とても、頼もしくも思えます。

メンバーのキャリア支援とSOチームの“これから”


座談会の様子(左から高木さん、山田さん、関根さん)
撮影:編集部

キャリア自律支援は内的キャリアを重視

SOチームでは、どのようにキャリア自律をご支援されているのでしょうか。
障害者雇用の課題の1つにキャリアアップする機会が少ないということがあります。リーダー職や管理職へのキャリアアップについては、どのようにお考えですか?

FBL・山田
古河電工グループでは「多様な人材を確保し、挑戦し続けようとする人の成長を支援する」ことをダイバーシティ&インクルージョンの基本方針としています。障害の有無や国籍は当社では意識していません。適材適所で、能力があれば十分にリーダーや管理職のチャンスがあります。
例えば、今後SOチームの規模が大きくなれば、メンバーがチームのサブリーダーに昇進するといったキャリアの成長があると思っています。
もう一つ、キャリア自律で我々が焦点を当てているのは「内的キャリア」です。自分の価値観とか自分らしさとか、働きがい、生きがい。いかに自己理解をして仕事を理解して、会社を理解していくか。その上で、本人と会社での「私のやりたい仕事、できる仕事」「ミッション」などを擦り合わせて、いきいきとやりがいをもって働いてほしいです。

今後は事業化も視野に

今後、SOチームがどうなっていくといいと考えていますか?

SO・高木
任せられている仕事をしっかりできるようになって、会社の信頼を得ていきたいです。あと、自分が働いてきたことで障害特性や配慮事項などを会社に分かってもらっている部分があるので、自分と同じような障害の方が入ってくることがあったら、プラスにつながっていったらいいかなと思います。

JS・関根
社内の方々と関わる機会が、もっと増えていくといいと思います。今は他の階にいる他部署の社員の方から私に業務の依頼をいただいて、そこからチームメンバーに流しています。今後、業務によっては、各部署の方から直接SOチームのメンバーにお話をしていただく機会を作って、また現場から報告を上げていくことができればと考えています。
業務外でコミュニケーションを取ってくださる方も多くいらっしゃるので、その中でつながりを作っていけるといいですね。その結果、自然と業務が広がっていく。そうした環境を作っていきたいです。

FBL・山田
清掃業務に加えて色々な事務業務の種類も広げています。先月からは、新しく書類のPDF化も始めました。PDF化業務は当社の各支社では、事業としてやっているものです。現時点でSOチームでやっているのは、訓練を兼ねた本社の書類のPDF化です。
将来的には、SOチームメンバーが関われる事業化につなげていきたいです。すぐには難しいですけど、「SO事業部の売上」という感じで事業性も意識したものができればと考えています。

古河電工グループが示す障害者雇用の意義・考え方

古河電工グループは、障害者雇用について「社会的責務を果たすだけでなく、企業成長の基盤として多様な人材や組織の可能性を追求するタイバーシティ&インクルージョンの観点から」推進していくとしています。

2023年度からは、「グループでの雇用拡大の観点、また障がいを持つ方が従事している職務が限定的であることを重点課題として捉え」、職域拡大を目指していくとのことです。

今回の座談会に参加してくれた高木さんは、清掃業務や事務業務という業務の種類よりも、その業務プロセスの中で新しいやり方を考え、それが成果につながっていくことが、やりがいにつながると語ってくれました。

現場で支援を行っているジョブサポーターの関根さんも、SOチームメンバーからの報告や提案にていねいに対応し、一人ひとりに合うやり方やチームで協働する仕組みづくりを進めています。

座談会は和やかな雰囲気で進み、社風としての仲の良さが感じられました。障害者雇用で採用された社員も一般枠採用の社員も、互いに協力・交流しながら働ける環境がFBLにはあるようです。

【取材協力】
古河電工ビジネス&ライフサポート株式会社
株式会社綜合キャリアトラスト

【参考】
ダイバーシティ&インクルージョン 障がい者雇用推進|古河電工
ぜんぶおまかせ ソーシャルオフィス|綜合キャリアトラスト

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