2025/10/29
【デフリンピック】デフビーチバレーボールに4チーム出場予定!基本ルールと戦略は?
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2025年11月15日から12日間にわたり、東京都の会場を中心に「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」(東京2025デフリンピック)が開催されます。同大会ではデフビーチバレーボール競技も行われる予定。日本代表チームの活躍が期待されています。
デフビーチバレーボールの日本代表選手および基本ルールや競技の特徴をご紹介します。

画像素材:wavebreakmedia / PIXTA(ピクスタ)
もくじ
東京2025デフリンピック、ビーチバレーボール日本代表4チームが出場
7月21日、東京2025デフリンピックに出場するデフビーチバレーボール競技の日本代表選手が発表されました。今回出場するのは、男子2ペア、女子2ペアの計4チームです。
【ビーチバレーボール競技 日本代表選手】※敬称略
| チーム | 英字 | 選手名 |
| 男子A | Sei Tatsuya | 瀬井 達也 |
| Imai Yuta | 今井 勇太 | |
| 女子A | Sakaide Yukie | 境出 ゆきえ |
| Yagisawa Miho | 八木沢 美穂 | |
| 男子B | Yamamoto Masataka | 山本 将隆 |
| Terai Natsuki | 寺井 捺貴 | |
| 女子B | Ito Tamaki | 伊藤 碧紀 |
| Hori Karin | 堀 花梨 |
デフリンピックの過去大会では、なかなか上位に食い込めずにきた日本代表チーム。予選突破と初のメダル獲得に向けて、現在トレーニングを重ねています。
ビーチバレーボールの基本ルールと特徴

聴覚障害のあるアスリートがプレーするビーチバレーボールは、「デフビーチバレーボール」と呼ばれます。基本的なルールは国際大会と同様。ただし、聴覚による情報把握が困難であるため、視覚を中心に指示などが伝えられます。
まずは、ビーチバレーボールの国際大会における基本ルールをご紹介します。
1チームの人数・ユニフォーム
ビーチバレーボールの大会では、1チーム2人でプレーします。試合中のメンバーチェンジは認められておらず、開始から試合終了まで、同じメンバーで戦います。
ユニフォームは、ショートパンツや水着の着用が一般的。ただ、大会によって規定があります。必ずしもビキニである必要はありません。
帽子やサンバイザーの着用は認められていますが、プレー中にケガをする恐れのあるものは着用禁止です。メガネやサングラスについては禁止されていないものの、選手が自己責任で判断することとなっています。
また、素足でのプレーが原則であり、素足以外でのプレーを望む場合は審判から許可を得なければなりません。
コートサイズとボールの特徴
ビーチバレーボールのコートは、インドアのバレーボールよりも少し小さいサイズ(16m×8m)となっています。コート内は、一定の基準を満たした砂で埋め尽くされているため、足場がインドアよりもずっと不安定です。
コートの外側に設定されたフリーゾーンは、エンドラインから5〜6mのスペースとなるのが、国際大会の規定。ネットの高さはインドアのバレーボールと同じで、男子は2.43m、女子は2.24mです。
ビーチバレーボールで使うボールは66cm〜68cmの大きさ。特徴は、内気圧が低めで、インドアで使うボールよりも柔らかいこと。試合自体は雨や風の日でも決行されるため、スピードが出にくく風の影響を受けやすいボールをコントロールする力が、勝敗に大きく影響します。
コイントスと得点、試合の流れ
ビーチバレーボールの得点は、ラリーポイント・システムです。ボールが相手コート内に落ちたり、相手チームが反則をしたりした場合に得点が入ります。
ボールの扱いに関する基本ルールは、
- 中央のネット越しにボールを打ち合う
- ボールが味方コートに入ってから3タッチ以内で相手コートにボールを返す
- 原則として1人が2回連続でボールに触れることはできない
- ブロックタッチも1回としてカウントするが、ブロックした選手は連続してボールに触れてもよい
- ネット上で相手と同時にボールに触れた場合は、タッチにカウントしない
となっています。
ビーチバレーボールのセット数は3セットです。2セットを先取したチームが勝者となります。各セットで勝つには、第1セットと第2セットでは21点先取、第3セットでは15点先取しなければなりません。タイブレイクの場合は、2点差がつくまでプレーが続きます。
サーブ権はコイントスによって決まります。
最初のコイントスは、公式ウォームアップ前に行われ、コイントスに勝ったチームが第1セットでサーブ・レセプションのどちらを選ぶか、どちらのコートを使用するかを決定。第2セットでは、コイントスに負けたチームがサーブ・レセプションとコートを選べるルールです。第3セットも実施する場合は、改めてコイントスが行われます。
試合中は、コートチェンジやタイムアウトもあります。
コートチェンジのタイミングは、第1セットと第2セットでは、両チームの得点の合計が7の倍数になったとき。第3セットでは、得点の合計が5の倍数になったときです。
タイムアウトは、各チームが1セットにつき1回30秒を取ることが可能です。ほかに、第1セットと第2セットでは、両チームの得点の合計が21点になったときに30秒のテクニカルタイムアウトがあります。第3セットにおいては、テクニカルタイムアウトはありません。
デフビーチバレーボールの特徴
一般的なビーチバレーボールの基本ルールは以上となりますが、デフビーチバレーボールには独自の方法も取り入れられています。主にメンバー同士のコミュニケーションや審判からの指示をどのように伝えるかという点です。
具体的には、審判がプレーヤーに反則や指示を伝える手段の1つとして、中央のネットを揺らすという方法があります。また、コートサイドに手話言語通訳者が待機しており、審判からの指示を手話で通訳する光景も見られるでしょう。
音による情報の把握が困難なため、視覚情報を駆使してコミュニケーションが行われます。
デフビーチバレーボールの戦略・見どころ
国際大会基準のビーチバレーボールの魅力は、1チーム2人の選手だけで試合を進めていくところにあります。
試合中は監督やコーチから指示を伝えることができず、選手にポジションの規定もありません。そのため、選手自身が状況を分析し、戦略の微調整を行うという臨機応変な対応が勝利の鍵となります。レシーブがあまり得意でないほうの選手に向けて打つことで、相手のミスを誘発する戦法も採られます。
そして、思い描く戦略を実現するには、不安定な足場と風に影響されやすいボールという条件下で、狙い通りにボールを打つ筋力も欠かせません。当然ながら、風がどのくらいボールに影響を与えるかといった“読む力”も重要。風が吹く方向や強さは一定ではないため、変化し続ける環境を上手に利用しなければならないからです。
コートを選ぶ権利を獲得したチームは、多くの場合、まずは風の影響が少ない風下のコートを選ぶことが多いようです。
また、ボールの動きを前の選手で隠したりフェイントブロックをしたりして、相手の予測を外すことも試合の動きが変わるポイントとなります。
こうした戦略に関する選手同士のコミュニケーションで見られるのが、腰の後ろで指を使って味方に伝えるサインです。人差し指を1本出す「1」と、人差し指および中指を出す「2」があります。これを左右どちらの手で出すかにも意味があり、左手は相手のライト側、右手はレフト側への対応を意味します。
ビーチバレーボールは不安定な足場で体力の消耗もインドアより激しいスポーツ。第1セットと第2セットのどこでタイムアウトを入れるかも重要な戦略です。
東京2025デフリンピックでの競技会場は「大森ふるさとの浜辺公園」

東京2025デフリンピックのビーチバレーボール競技会場は、東京都大田区にある「大森ふるさとの浜辺公園」です。最寄り駅からの徒歩では15分程度かかるため、バスやタクシーの利用が便利でしょう。
競技会場となっていない土曜・日曜にはビーチバレー場の無料開放日もあり、無料で各種ビーチスポーツの指導も受けられます。
【ビーチバレーボール競技会場「大森ふるさとの浜辺公園」の情報】
| 名称 | 大森ふるさとの浜辺公園 |
| 所在地 | 東京都大田区大森東一丁目37番1号 |
| アクセス | 【電車】
【バス】※本数が少ないため注意
|
| 公式サイト | https://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/sports/omorihigashimizube__beach-volley.html |
ビーチバレーボールは、インドアのバレーボールよりも年齢による影響が少ないスポーツです。その分、経験によるスキルの高さや戦略が勝敗を左右します。指を使って送るサインやボールを打ち込む場所の選択など、素早く展開する駆け引きが見どころです。
「ビーチバレーボールはよく知らない」という方も、ぜひこの機会にその魅力に触れてみてください。
【参考】
ビーチバレーボール|東京2025デフリンピック
ビーチバレーとは|JBV
日本代表|一般社団法人日本デフビーチバレーボール協会(DBVA)
ふる浜ビーチバレー場 無料開放DAYの開催について|大田区



