アビリンピック過去問題|第40回全国(2020)ビルクリーニング・オフィスアシスタント


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オフィスの業務に欠かせない毎日の清掃や郵便物の発送・仕分け。アビリンピック競技種目「ビルクリーニング」「オフィスアシスタント」は、障害を持つ方の中でこうした業務を担当する方などがスキルを競う種目です。2020年の全国大会では、それぞれ課題内容を少し変更して実施されました。

2020年度の「ビルクリーニング」は弾性床清掃・机上清掃のみで実施

アビリンピック競技種目「ビルクリーニング」は、オフィスなどの清掃技術を競う種目です。例年同じ内容が出題されてきましたが、2020年の全国アビリンピックではコロナ禍の影響から1課題のみで実施されました。

2020年大会には38名の選手が参加し、全体としてハイレベルな戦いとなりました。受賞者は金賞1名、銀賞3面、銅賞3名、努力賞1名。いずれもほとんど実力に差はなく、受賞を逃した選手も十分な技能を持っていると評価されています。

「ビルクリーニング」の制限時間・評価ポイント

今大会は1課題のみで実施されたため、制限時間も1選手あたり最大10分となっています。残り3分の時点で合図があり、10分になったところで作業打ち切りです。

競技の実施時間帯は9:00から16:00(昼休憩は12:00-13:00)と長丁場ですが、ほとんどの時間が待ち時間となっています。

本競技の評価ポイントは、主に以下の5点です。

<ビルクリーニングの評価ポイント>

  • 効率的に作業を進められているか
  • 指定の手順に沿って進められているか
  • モップなどの取り扱いは適切か
  • 拭きムラや拭き残しがないか
  • 入退室時の挨拶「失礼します」「失礼しました」や、礼ができているか

「ビルクリーニング」の課題概要と準備するもの

競技種目「ビルクリーニング」に事前課題はありません。ただし、本番の課題内容は事前に公開され、細かい作業手順が公表されます。本番ではその手順どおりに進められるかどうかが問われますので、内容をよく確認し、繰り返し練習しておきましょう。

「ビルクリーニング」の課題概要

「ビルクリーニング」では、4m×4mの区画の清掃を行います。弾性床のゴミはおがくず50mlをまいたもの。区画は巾木で区切られており、これを壁に見立てて作業を進めます。

作業の手順は大きく分けて12工程あります。どの工程で何をすべきかは、事前公開される課題内容をよく確認してください。

<ビルクリーニングの主な作業手順>

  1. 資機材を準備する
  2. 競技開始の合図「始めます」を言う
  3. 作業準備を行う
  4. 入室の挨拶「失礼します」を言う
  5. イス上げとゴミ処理を行う
  6. 床の掃き作業を行う
  7. 床の水拭き作業を行う
  8. ゴミ箱とイスを下ろす
  9. 机上拭きを行う
  10. 点検を行う退室の挨拶「失礼しました」を言う
  11. 資機材を片付ける
  12. 競技終了の合図「終わりました」を言う

床の掃き作業と水拭き作業については、開始地点と終了地点、作業の進め方などの図解が事前公開課題に掲載されています。手順は基本的に例年どおり。それぞれ概ね以下のような流れで進めます。

競技を行う順番はくじ引きで決められ、2人同時に実施するというのも「ビルクリーニング」の特徴です。自分のペースを保ちながら、ていねいに効率よく進めましょう。

「ビルクリーニング」で準備するもの

競技で使用する資機材は会場側で用意されます。そのため、選手が持参するのは、上下の作業着・作業帽や三角巾・作業靴のみです。これ以外の物の持ち込みは原則として認められません。障害特性に応じた補助具が必要な場合は、事前に申し出て許可を受けましょう。

作業着・作業帽や三角巾・作業靴の予備を持参することは認められています。

会場側で用意されるのは、以下の物です。競技に使う資機材となりますので、練習のにも参考にしてください。

<ビルクリーニングの競技会場に用意されるもの>

  • 作業用カート
  • 作業標示板
  • ワンタッチモップ柄とラーグ
  • 乾式モップヘッドとダスタークロス
  • 小型ぼうきと文化ちり取り
  • タオル
  • ゴミ箱用ビニール袋
  • 机・イス・ゴミ箱

なお、作業カートや作業標示板、その他資機材、ゴミ箱とイスは作業の中で動かしますが、机を動かしてはいけません。

2020年度の「オフィスアシスタント」は作業量が増加、臨機応変な対応も重要


競技種目「オフィスアシスタント」では、文書の発送準備と届いた郵便物の仕分けを行います。規定時間内に多くの書類や封筒を処理する必要があり、作業の正確性と速さが求められる競技です。

今大会の課題内容は、例年よりも難しくなりました。文書の発送準備課題では送付書類の種類・枚数が増えるとともに競技時間が短く設定されています。仕分け作業課題では、同形異音の名字が多く、漢字への対応力が求められました。「分かるものから仕分ける」といった臨機応変な姿勢も重要です。

今大会の選手の技能レベルはとても高く、28名が参加し、金賞1名、銀賞2名、銅賞3名、努力賞1名という結果でした。実力は僅差でしたが、時間内により多くの成果物を完成させられるか、状況に合わせて臨機応変に対応できるかといった点がポイントになったようです。

「オフィスアシスタント」の制限時間・評価ポイント

「オフィスアシスタント」の競技時間は、説明・練習・休憩を含めて全体で1時間程度でした。各課題の制限時間は、発送準備課題が20分、仕分け作業課題が10分となっています。

2020年全国大会では、11:00から13:00の時間帯で競技が実施されました。

「オフィスアシスタント」の評価ポイントは、正確さと速さです。印刷不良の書類も含まれていますので、そうした不備のある書類を取り除きながら作業を進めなければなりません。

<オフィスアシスタントの評価ポイント>

  • 発送準備課題
    1. 指示通りに文書が入っているか
    2. 不備のある書類や宛名シールを取り除いているか
    3. きれいに指示通りに文書が折られているか
    4. 宛名は適切に貼られているか
    5. 時間内にどれだけ完成させられるか
  • 郵便物の仕分け作業課題
    1. 指示通りに郵便物を仕分けられているか
    2. 時間内にどれだけ作業を完了できるか

発送準備課題は30通、仕分け作業課題は100通を処理する必要があります。効率よく進められるよう、練習を繰り返しながら自分の改善点を見つけていきましょう。

「オフィスアシスタント」の課題概要と必要なもの

「オフィスアシスタント」に事前課題はありません。ただ、「ビルクリーニング」同様、毎年大会前に課題内容が公表されています。書類の折り方や封入の仕方、社員名簿のイメージなどが図で掲載されていますので、しっかり確認しておきましょう。

大会当日には、課題内容に関する説明と短い練習時間があります。それまでの自主練習とは異なり、本番で使われる紙を用いた練習となりますので、折り方やピックアップ作業における感触など確認しましょう。

発送準備課題、郵便物の仕分け作業課題の具体的な内容は、以下の通りです。

<発送準備課題の概要>

  • 30通の発送準備を行う
  • 封入する書類のうち、A3判の書類は片袖折りにする
  • 封入する冊子に指定された文書を指示通りに挟み込む
  • 送付状に基づき、書類をピックアップして封入・封かんする
  • 所定の位置にていねいに宛名ラベルを貼る
  • 書類や宛名ラベルには印刷不良のものが含まれているので、取り除きながら作業を進める

<郵便物の仕分け作業課題>

  • 100通の受信郵便を6部署に仕分ける
  • 仕分けは社員名簿と封筒の宛名を照らし合わせて行う
  • 社員名簿にない場合は「不明」として仕分ける

当日選手が持参できるものは、使い慣れた指サックや障害特性に応じた補助具などです。指サック以外のものは事前に申告して許可を受ける必要があります。

なお、会場にも指サックが用意されているので、特にこだわりがなければ会場支給のものを用いても構いません。

【参考】
アビリンピック 公式サイト
全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)|JEED

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