2022/02/03
アビリンピック過去問題|第39回全国(2019)ワード・プロセッサと表計算
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もはや仕事に欠かせないソフトウェアとなったWordやExcel。これらを使いこなす技能を競うのが、アビリンピック競技種目である「ワード・プロセッサ」と「表計算」だ。
両種目とも、2019年大会で求められた操作は2018年大会とほぼ同じだった。
もくじ
競技種目「ワード・プロセッサ」の概要と2018年大会からの変更点
アビリンピック競技種目「ワード・プロセッサ」は、Microsoft OfficeのWordとExcelの機能を使って見本通りの文書を作成する競技。
効率よく指示通りの文書を作成する技能を競う。
和文文書と英文文書をそれぞれ作成する2つの課題があり、毎年開催地に関係の深いテーマで出題される。
2019年大会では、和文文書は愛知県の名城観光ツアー、英文文書はAichi Sky Expoをテーマとして出題された。
「ワード・プロセッサ」には身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能だ。
2019年大会には44名の選手がエントリーした。
課題の変更点については、テーマ以外はほぼ例年通りだったものの、Excelの利用が明記されるとともに、検索・置換機能の使用が見られなかった。
「ワード・プロセッサ」競技で会場に用意されているもの・選手が持参するもの
基本的な設備やソフトは会場側で用意される。
ソフトや機器類を効率的に使えるようになるためにも、大会前は可能な限り以下のような会場の設備と同様の環境で練習を重ねるとよいだろう。
<会場に用意されているもの>
- パソコン(OS: Windows 7 Pro)
- ワープロソフト(Word 2016)
- USBメモリ(作業中のPCに不具合が生じた場合のバックアップ用・希望者に貸与)
- プリンタ
- OAデスク
- OAチェア
- 電気スタンド(100V、27W)
- 書見台(A3横)
また、選手は以下の辞書や筆記用具を当日会場に持ち込める。
<選手が持参するもの>
- 国語辞典
- 漢和辞典
- 英和辞典等
- 筆記用具類
ただし、上に記されている物以外は原則として持込不可。
特に、以下のものは明確に持込みを禁止されているので注意してほしい。
<会場に持ち込めないもの>
- 事前に配布された課題
- メモ
- 辞書類を除く参考書
- 資料
- USBメモリ等の記憶媒体
障害特性上必要になる補助具等(ハードおよびソフト)は、事前に事務局に申し出て許可を受けることで競技大会前日に導入できる。
「ワード・プロセッサ」の競技時間と課題内容
「ワード・プロセッサ」の競技時間は2018年大会と同じ。
課題内容は、開催地である愛知県の観光や施設に関するものだった。
競技時間
「ワード・プロセッサ」の競技時間は、和文文書と英文文書で異なる。
効率よく作成を進めるには、日本語入力のスピードと正確さだけでなく、英文の入力スピードと正確さも求められる。
<「ワード・プロセッサ」の競技時間>
- 和文文書 80分
- 英文文書 60分
2019年全国大会では午前中の9:30-12:00で競技が実施された。
課題内容
2019年大会の和文競技、英文競技それぞれの課題で使用を求められた操作は、以下の通りだ。
- 数値は全て半角で入力する
- デスクトップの「ワード・プロセッサ」フォルダに文書を保存する
- 指示に従い、ファイル名を設定する
- 印刷面の余白を設定する(上下30mm、左右25mm程度)
- ページ設定で指示に従い文字数を指定する
- ヘッダーの指定の位置に「選手番号 競技者氏名」を入力する
- フッターの指定の位置にページ番号を設定する
- タイトルをワードアートで作成する
- 指示に従い、タイトルの左側に指定文字列を入力し書式設定する
- 指定の文章を入力し、書式設定する
- 箇条書き設定をする
- 指定の文字列を4字分に均等割り付けする
- インデントを使用して文字列の位置を調整する
- 文書に画像を挿入し、位置とサイズを調整する
- 図形で指定の図表を作成し、位置とサイズを調整する
- 図形と指定の画像を用いて地図を作成する
- 表を作成・入力し、指示に従って書式設定する
- 表に画像を入れる
- 表の指定のセルを縦書きにする
- 文書にテキストファイルを読み込む
- 3段組みを設定する
- 指定の部分に段落枠線、網掛けを設定する
- 指定の文字列にグラデーションを設定する
- 指定の段落の行間を設定する
- 競技時間終了後、文書を印刷する
<英文競技>
- デスクトップの「ワード・プロセッサ」フォルダに文書を保存する
- 指示に従い、ファイル名を設定する
- 用紙サイズ A4
- マージン 上3.0cm、下左右2.0cm
- とじしろ 0
- フッターの指定位置に競技者氏名(ローマ字)、選手番号、ページ番号、作成日を入力する
- ページ番号に強調線を設定する
- ページ罫線を設定する
- 見出しを入力し、指示通りに書式設定する
- 指示に従い、ワードアートを挿入する
- スタイル「heading」を作成し、指示に従って設定する
- 図形を挿入、サイズと位置を調整する
- 画像を挿入し、サイズと位置を調整する
- 画像に引き出し線を入れ、指定の文字を挿入する
- テキストボックスを挿入し、箇条書きを設定する
- テキストファイルを読み込み、ドロップキャップを設定する
- 図表番号を挿入し、指定されたラベル名と書式を設定する
- エクセルファイルに作成されたグラフを「図」として貼り付け、図表番号を設定する
- 指示に従い、タブとリーダー線を設定する
- 背面に図形を挿入する
- SmartArt「縦方向画像リスト」を挿入し、指定の画像を挿入する
- 段落罫線を設定する
- 背景画像を設定する(画像は適当な大きさにトリミングする)
- 表を挿入し、見本通りに書式設定を行う
- 完成した文書をPDF形式で保存する
- 競技終了後、文書を印刷する
ワードアートやSmartArtの挿入・設定、図形や画像を用いた地図作成、テキストファイルの読み込み、エクセルのグラフの挿入や図表番号の設定など、求められる操作は毎年ほぼ変わっていない。
競技種目「表計算」の概要と2018年大会からの変更点
競技種目「表計算」は、Microsoft Officeの1つであるExcelを使う技能を競う。
「表計算」には4つの課題があり、競技全体の制限時間の中で好きな順番で完成させていく。
身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能で、2019年大会には31名の選手がエントリーした。
今大会で使われたOS、ソフトは以下の通りだ。
<「表計算」で使われたOSとソフトウェア>
- OS:Windows 10 Pro
- 使用ソフト:Excel 2016
課題の概要や注意事項は2018年大会とほぼ同じ。
ただ、会場下見の際に持ち込めるものについて、「USBメモリ等の記憶媒体の持込は一切付加とする」という注意書きが追加された。
自分のUSBメモリは競技本番でも会場下見でも持ち込めないため、ルール違反にならないよう十分気をつけよう。
「表計算」の競技時間と出題範囲
2019年大会の競技時間、課題で要求される操作は2018年大会と同様だ。
競技時間
「表計算」の競技時間は、4つの課題全ての合計時間で設定されている。
<「表計算」の競技時間>
- 4課題あわせて 75分
2019年大会では10:00-11:15の時間帯で実施された。
取り組む順番は選手それぞれに任されているものの、関数の課題に苦戦する選手が多い様子。
自分の得意分野から取り組むとよいだろう。
課題の出題範囲
「表計算」の課題は以下の4つだ。
<「表計算」の4つの課題>
- 装飾・編集
提供データをもとに数値入力、図形作成、数式修正、書式設定、数値や書式の貼付、条件付き書式の設定等を行う - 関数式による表の完成
提供データをもとに、名前の定義、表示設定、関数設定等を行う - データ処理
提供データをもとに、レコードの抽出、並べ替え、集計等を行う - グラフ作成
提供データをもとに、セルの複数範囲の選択によるグラフ作成、印刷設定等を行う
2019年大会の出題範囲は2018年大会と同じだ。
要求される知識や操作について、詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
(関連記事)
アビリンピック過去問題|第38回全国(2018)ワード・プロセッサと表計算
アビリンピック過去問題|第37回全国(2017)ワード・プロセッサと表計算
地方アビリンピックの課題も参考に
実際にどのような文書、表、グラフを作成するのかを知りたい場合は、東京アビリンピックやアビリンピック神奈川の過去問題が参考になる。
東京アビリンピックの場合は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の公式ページが最新情報とともに2年分の課題内容を掲載。
アビリンピック神奈川については、神奈川県の公式ページにある各大会の個別リンク(JEEDへのリンク)をたどると1年分の過去問題を確認できる。
【参考】
東京アビリンピック 公式ページ|JEED 東京支部
アビリンピック神奈川 告知ページ|神奈川県