2022/03/10
アビリンピック過去問題|第39回全国(2019)コンピュータプログラミング
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アビリンピック競技種目「コンピュータプログラミング」では、プログラミングのスキルだけでなくプログラマーとしての総合的な技能が求められます。
2019年大会では、前大会と同じプログラミング言語でしたが、3Dペンの特性を活かした立体図の作成が課題。ロボットアーム実機を使った複雑な図形の描画に苦戦する姿が見られました。
競技種目「コンピュータプログラミング」の概要と2019年大会の変更点
競技種目「コンピュータプログラミング」では、ロボットアームと3Dペンを用いて、指定された図柄を描画するプログラムの作成技能を競います。身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能で、2019年大会には前大会より1人少ない3名の選手がエントリーしました。
競技本番では、実際にロボットアームを動かして描画する必要があるため、動作の誤差や動作指定面のひずみなどを考慮する補正動作を導入しなければなりません。できる限り小さなプログラムで安定した描画になることが求められるという課題です。
しかも、当日課題は3Dペンでの描画。前大会は3Dペンを用いた平面図(一筆書き可能)でしたが、今大会は立体図の作成が求められ、難易度が上がっています。
「コンピュータプログラミング」で使える機材とプログラミング言語
2019年大会の「コンピュータプログラミング」で使用された機材は、2018年大会同様、以下のものでした。
- ROBOT本体:デンソーウェーブ(株)汎用ロボットアームCOBOTTA
- ベース:卓上設置用 一体構造
- 動作軌道記録機材:マーカーペン、3Dpen、ビデオトラッカ等
- ロボット制御用PC
- プログラム作成用PC
- プリンタ
- PCデスク
- OAチェア
プログラミング言語も、前大会と同じCOBOTTA専用言語です。
事前課題と評価のポイント
「コンピュータプログラミング」では、練習用として事前課題(課題A)が出されます。指定された図をロボットシミュレータで作図できるようプログラムを作成するとともに、プログラムリストやドキュメントの作成練習も行いましょう。
練習用の事前課題の概要
「コンピュータプログラミング」の課題Aには、大会事務局から支給されるロボットシミュレータを使って取り組むことができます。描画する図は、正方形とそれに内接する円、そして、円に内接する正三角形です。
<事前課題のために支給されるもの>
- 競技課題A
- ロボットシミュレータ(3次元グラフィックシミュレータを含む、小型卓上ロボットアームCOBOTTA専用プログラム開発環境)
事前課題の内容は前大会と同じものでした。詳しい内容は、以下の関連記事をご覧ください。
(関連記事)
アビリンピック過去問題|第38回全国(2018)コンピュータプログラミング
「コンピュータプログラミング」の評価ポイント
「コンピュータプログラミング」の大会当日課題では、以下のポイントに従って採点が行われます。
<「コンピュータプログラミング」の主な評価ポイント>
- 競技終了後に提出された最終動作結果の記録
- 動作に要した時間
- ユーザーインターフェースの完成度
- プログラムリスト
- プログラムを説明するドキュメント
最終動作結果の記録だけでなく、画面のハードコピーやプログラムリスト、プログラムを説明するドキュメントをもとに審査が行われます。描画に成功したあともやるべき作業を確実に終えることができるよう、時間配分を意識することが大切です。
制限時間と本課題(課題B)の概要
「コンピュータプログラミング」は、コンピュータ関連競技で最も競技時間が長いことが特徴。プログラミングだけでなくドキュメント作成なども課されるため、「いつまでに何をやるか」を必ず確認しながら進めましょう。
制限時間
「コンピュータプログラミング」の制限時間は6時間です。
2019年大会も前大会と同じ9:00-16:00(休憩 12:00-13:00)で実施されました。
当日課題(課題B)の概要と流れ
今大会の課題Bで描画するのは、中部国際空港セントレアにちなんで「飛行機」。前大会までは平面図形の描画でしたが、今大会は3Dペンの特性を活かした立体図形の描画が求められました。複雑な形状で垂直方向のZ軸での描画もあるため、実力のある選手も苦戦したようです。
一筆書きに近い形で描画する場合、たとえば以下のような手順が考えられます。それぞれの直線の長さや曲線(円弧)の中心・中心角、点の座標は、課題Bの中で細かく指示が出されているため、まずは課題内容をよく確認して全体像をつかみましょう。
課題に取り組む際は、概ね以下のように進めていくとよいでしょう。
- 課題内容で直線の長さ・曲線の条件・点の座標等を確認
- 描画手順を検討
- プログラム作成用PCでプログラムを作成
- シミュレータで動作を確認
- ロボット制御用PCにプログラムを移す
- ロボット実機を用いて動作させた結果(描画等の記録物)を作成
- 必要に応じてプログラムを修正、再描画
- データ入力画面等のハードコピーを作成
- プログラム説明書を作成
- 描画等の記録物・画面のハードコピー・プログラム説明書を提出
今大会では1人1台の小型ロボットアームが用意されていたため、実機を用いたチェックを安全かつ手軽に実施できるようになりました。
直線の長さなど詳細な条件については、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の過去問題をご覧ください。