2026/02/11
【障害者雇用企業事例】精神障害・発達障害者を多く雇用するオープンハウスとSHIFT
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東京都による令和6年度エクセレントカンパニー賞を受賞し、翌年には厚生労働省の令和7年度障害者雇用優良事業所等表彰でも受賞したオープンハウスグループとSHIFTグループ。両社には、精神障害・発達障害のあるメンバーを多く雇用し、一人ひとりの能力を活かせる多彩な業務と正社員登用制度などによるキャリア支援を行うという共通点が見られます。
具体的な業務内容や支援体制、キャリア支援の取り組みをご紹介します。

オープンハウスにおける障害者雇用の取り組み

不動産業を手がけるオープンハウスグループ(以下、オープンハウス)。障害のあるメンバーの定着率が非常に高く、2025年時点では95.7%にまで上昇しています。身体障害者と精神障害者を多く雇用しており、正社員化も進めてきました。
障害者雇用推進を担うワーキンググループと特例子会社の設置
オープンハウスの障害者雇用は、専任のワーキンググループを中心に進められています。
もともとは2013年に設置したダイバーシティ委員会が活動していましたが、2022年に完全自社オペレーションでの障害者雇用を開始。そこから更に障害者雇用を推進すべく設置されたのが、2024年4月発足の「ワークデザイン推進委員会」です。ワークデザイン推進委員会の「障がい者雇用推進ワーキンググループ」が具体的な推進施策を進めています。
現場でも、障害者雇用専任の担当者が支援を実施。障害のあるメンバーが毎日記録するヘルスログを確認し、必要に応じて面談を行ったり、環境整備を行ったりしています。サポートを内製化することで、臨機応変な対応がしやすくなったとのことです。
同じ2024年には、「株式会社オープンハウス・オペレーションズ」も設立。特例子会社として、グループ全体の障害者雇用の土台を築きました。厚生労働省が障害者雇用に関する優良中小事業主を認定する「もにす認定」も取得しています。
70種類以上の業務には本体業務に直結する仕事も
障害のあるメンバーが担う業務は、社内で切り出された業務です。70種類以上の業務があり、本体業務に直結するような専門性の高い業務も含まれます。
【障害のあるメンバーの仕事内容】
| 部門 | 仕事内容の例 |
| 営業部門 | 物件登録・謄本取得など |
| 間接部門 | 年末調整業務・定期健康診断業務など |
| その他 | ラミネート加工・書類PDF化・CADによる図面作成など |
業務は3拠点のオペレーションセンター内で受け入れています。
働きやすい職場づくりとして設備のバリアフリー化や制度の整備も進めてきました。
【働きやすい職場づくりの工夫】
| 分野 | 施策例 |
| 施設・設備 | 段差の解消、ユニバーサルデザインの自動販売機、低い位置に操作ボタンがある複合機、多目的トイレ、休憩スペースなど |
| 体調管理 | ヘルスログの記録・確認、定期通院のための半日勤務免除制度など |
| 組織風土 | メンバーがお互いに助け合いながら業務を進める風土 |
安心して働ける環境の整備により高い職場定着率を実現。ノウハウの蓄積と業務品質の向上が進み、社内での認知度も向上しているそうです。
障害のあるメンバーへのキャリア支援制度
オープンハウスでは、障害のあるメンバーの「もっと安心して長く働きたい」という声をきっかけに、正社員登用制度を導入しました。年2回の登用機会があり、仕事への意欲や業務実績などを考慮しています。2024年9月時点で、従業員の約35%を正社員化しました。
正社員となったメンバーの中には、マネジメント職で活躍する人も。例えば、八王子オペレーションセンターのマネジメント職であるメンバーは、業務移管元から依頼された業務の確認・整理・人員調整、新規事業の導入なども行っているとのことでした。
オペレーションセンター独自の役職もあります。「マネージャー代理職」という職位で、マネージャー相当の役割を担うものです。約70名のメンバーが業務リーダーとして活躍しています。
SHIFTにおける障害者雇用の取り組み

ソフトウェアの品質保証やテスト事業を展開するSHIFTグループ(以下、SHIFT)でも、精神障害者を中心に雇用を進めてきました。社内で業務を切り出す点はオープンハウスと同じですが、SHIFTのメンバーが担う業務の種類は、なんと500種類以上。独自の評価・報酬制度で、メンバーの意欲も向上しています。
コロナ禍の変化が障害者雇用の転機
SHIFTでは、2019年に設立した「ビジネスサポート部」で障害のあるメンバーが働き、社内BPO業務を担っています。
コロナ禍以前は出社が必要な業務を行っていました。大きく変わったのは、コロナ禍での在宅勤務です。出社しなくても遂行できる業務の切り出しを進めたところ、社内に潜む多くのニーズを発見。加えて、プログラミング言語の理解やRPA活用など、障害のあるメンバーに専門スキルをもつ人がいることも判明しました。
社内業務の見直しが新たな気づきとなり、現在の幅広い採用につながっています。
障害のあるメンバーの仕事は500種類以上、情報共有も重視
500種類以上という非常に多彩な職域は、障害のあるメンバーが担う業務の選択肢を増やし、能力と業務の高いマッチング率を実現してきました。
【障害のあるメンバーの仕事内容】
| 職域 | 仕事内容の例 |
| 事務職 | 各部署の人材情報データ入力・管理、営業メールの誤送信チェックなど |
| 専門職 | 映像編集、開発アプリのテスト・テスト設計、システムチェック、車内広告バナー作成など |
| オフィスサービス | 社内マッサージ、カフェ、会議室清掃など |
特徴的なのは、業務を「作業」と「判断」に分けて細分化する視点です。20以上のチームに分かれて進めています。
ビジネスサポート部の仕事を社内で知ってもらうため、社内ポータルを使ったアピールも実施。受け付けている業務やメンバーの実績・評判などを紹介しています。自ら発信することで他部署からの依頼が増え、全社的な表彰制度でも障害のあるメンバーがノミネート・受賞するようになりました。“ほかの社員に認められている”という実感が、メンバーの士気を向上させているそうです。
働きやすい職場づくりの取り組みには、助け合いながらも成長と自律を促す組織風土の醸成、入社前の情報共有、ヘルス情報などの記録による体調変化の予測などがあります。
【働きやすい職場づくりの工夫】
| 分野 | 施策例 |
| 情報共有 | 入社前に「マイカルテ」(目標・特性・困りごと・不調時に希望する対応)、定期面談など |
| 体調管理 | 体調・睡眠時間などのヘルス情報の記録、業務の工数・所要時間の記録による体調変化の予測、短時間勤務制度など |
| 組織風土 | メンバーがお互いに助け合いながらも、一人ひとりの成長と自律を促す風土 |
「マイカルテ」は、入社前の自己開示の機会であるとともに、本人が不安に感じていることや体調の状況を会社に伝える大切なツールです。会社側は、マイカルテによって状況の早期把握や合理的配慮の実施につなげることができます。
日々のヘルス情報や業務状況の記録は、体調変化の確認・予測に活用されます。もし体調悪化の兆候が見られる場合は、崩す前に休息を取れるように促しているとのことです。
障害のあるメンバーへのキャリア支援制度
SHIFTにも、正社員登用制度があります。実施するタイミングは年4回。年間平均で10名以上のメンバーを正社員に登用しています。
ほかにも、成果をあげているメンバーに報いるため、障害のあるメンバーを対象とする独自の評価・報酬制度を導入しました。ほかの制度よりも昇給の条件が細かく設定されており、仕事での頑張りが評価に結びつきやすい仕組みとなっています。
現場のメンバーにも「達成感を得やすくなった」と喜ばれています。
オープンハウスとSHIFTの現在

令和6年度エクセレントカンパニー賞を受賞したオープンハウスとSHIFT。その後も障害者雇用の取り組みに対して高い実績を重ねています。
オープンハウスの2025年時点での障害者雇用率は、法定雇用率を大きく上回る3.06%。2025年7月には、特例子会社であるオープンハウス・オペレーションズが東京労働局から障害者雇用相談援助事業者に認定され、他社の障害者雇用推進に向けた相談援助の支援もできるようになりました。
さらに、事業所として「令和7年度障害者雇用優良事業所等表彰」の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長努力賞も受賞しています。
SHIFTでは、実直な取り組みと社内周知により、「ビジネスサポート部がいないと仕事が回らない」と言われるほどに。2025年時点での障害者雇用率は2.6%で、こちらも法定雇用率を上回る水準で推移しています。
「令和7年障害者雇用優良事業所等表彰」では、障害のあるメンバーが「優秀勤労障害者」に選出され、独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構理事長努力賞を受賞しました。
一人ひとりの可能性を信じ、適切な業務・環境の調整を行いつつ成長を支援するという取り組みが、両社の好循環のポイントになっているようです。
【参考】
- 令和6年度障害者雇用エクセレントカンパニー賞(東京都知事賞)受賞企業|東京都
- 令和7年度「障害者雇用優良事業所等の厚生労働大臣表彰」受賞者決定 9月9日に都内で表彰式を開催します|厚生労働省
- 企業情報|OPEN HOUSE
- SHIFTグループ 公式サイト


