2025/11/05
【デフリンピック】デフ卓球の種目とルール、日本代表選手にはメダルリスト亀澤理穂選手ら
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2025年11月に東京2025デフリンピックが開催されます。卓球競技は、デフリンピックで多くの日本代表選手がメダルを獲得してきた競技です。卓球競技の種目別大会日程と会場、日本代表選手とともに、基本ルールや打ち方の見どころをご紹介します。

東京2025デフリンピック卓球競技の種目別日程・会場
11月から開催される東京2025デフリンピック。卓球競技の試合は11月18日(火)から6日間の日程で実施されます。会場は、渋谷区千駄ヶ谷にある東京体育館です。
【大会日程 卓球競技】
| 種目 | 日程 |
| 混合ダブルス | 11月18日(火) |
| 男子ダブルス・女子ダブルス | 11月19日(水) |
| 男子シングルス・女子シングルス | 11月20日(木)・21日(金) |
| 男子団体戦・女子団体戦 | 11月23日(日)・24日(月・祝) |
【卓球競技会場 】
| 施設名 | 東京体育館 |
| 所在地 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-17-1 |
| アクセス | 電車の場合:
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バスの場合:
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| 公式サイト | https://www.tef.or.jp/tmg/ |
東京体育館は、1964年の東京オリンピック競技会場となってから現在まで、数々の大会で利用されてきた歴史ある施設です。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の会場にもなりました。メインアリーナは9,000人超を収容できる広さを誇ります。
デフリンピック卓球日本代表のメダル実績と2025年の代表選手
デフリンピックの卓球競技では、1965年大会以来、日本代表選手が毎大会メダルを獲得しています。特に女子は、シングルス・ダブルス・団体戦のいずれにおいても表彰台の常連。男子は、2001年のローマ大会までは多数の金メダルを含む獲得実績を誇っていたものの、その後苦しい時代が続きました。しかし、2022年のカシアス・ド・スル大会の男子団体戦で3位となり、5大会ぶりにメダルを獲得しています。
カシアス・ド・スル大会の翌年に開催された「第4回世界ろう者卓球選手権大会」でも、男女合わせて5個のメダルを獲得。今回のデフリンピックでも活躍が期待されています。
東京2025デフリンピックの卓球日本代表の顔ぶれは、世界ろう者卓球選手権大会のメンバーが中心。カシアス・ド・スル大会で男子団体戦の勝利に貢献した川口功人選手、女子シングルスやダブルスで多数のメダルを獲得してきた亀澤理穂選手らです。男女それぞれのリザーブとして、2023年「第1回世界ろう者ユース卓球選手権大会」などで表彰台に上った期待の若手選手も控えています。
【卓球日本代表選手 男子】※敬称略、大本選手・武井選手はリザーブ
| 英字 | 選手名 | 主なメダル実績など |
| KAWAGUCHI Koto | 川口 功人 | 2022年カシアス・ド・スル大会(男子団体戦)銅メダル
2023年第4回世界ろう者卓球選手権大会(男子団体戦)銅メダル |
| ITO Yuki | 伊藤 優希 | 2023年第4回世界ろう者卓球選手権大会(男子団体戦)銅メダル |
| KAMEZAWA Fuminori | 亀澤 史憲 | 2022年カシアス・ド・スル大会(男子団体戦)銅メダル
2023年第4回世界ろう者卓球選手権大会(男子団体戦)銅メダル |
| NADAMITSU Shintaro | 灘光 晋太郎 | 2023年第4回世界ろう者卓球選手権大会(男子団体戦)銅メダル
2024年第58回全国ろうあ者体育大会第56回卓球競技 準優勝 |
| OMOTO Ryota | 大本 涼太※ | 2023年第1回世界ろう者ユース卓球選手権大会(男子ダブルス)銅メダル
同大会(混合ダブルス)銅メダル |
| TAKEI Tomoyoshi | 武井 大祐※ | 2024年第46回全国ろうあ者卓球選手権大会(ユースの部・男子シングルス)1位 |
【卓球日本代表選手 女子】※敬称略、佐々岡選手・牧野選手はリザーブ
| 英字 | 選手名 | 主なメダル実績など |
| YAMADA Moemi | 山田 萌心 | 2022年カシアス・ド・スル大会(女子団体戦)銀メダル
2023年第4回世界ろう者卓球選手権大会(女子団体戦)金メダル |
| KAMEZAWA Riho | 亀澤 理穂 | 2022年カシアス・ド・スル大会(女子ダブルス)銅メダル
同大会(女子団体戦)銀メダル 2023年第4回世界ろう者卓球選手権大会(女子団体戦)金メダル |
| KIMURA Ami | 木村 亜美 | 2023年第4回世界ろう者卓球選手権大会(女子団体戦)金メダル
同大会(女子ダブルス)金メダル |
| YAMADA Mizue | 山田 瑞恵 | 2022年カシアス・ド・スル大会(女子ダブルス)銅メダル
同大会(女子団体戦)銀メダル 2023年第4回世界ろうあ者卓球選手権大会(女子団体戦)金メダル 同大会(ダブルス)銀メダル 2024年第58回全国ろうあ者体育大会(女子シングルス)3位 |
| SASAOKA Nonoka | 佐々岡 希花※ | 2024年全国ろう学校卓球大会(女子シングルス)1位
2023年第1回世界ろう者ユース卓球選手権大会(混合ダブルス)銀メダル 同大会(女子ダブルス)銅メダル 同大会(女子シングルス)金メダル |
| MAKINO Hinata | 牧野 陽菜※ | 2023年第1回世界ろう者ユース卓球選手権大会(女子ダブルス)銀メダル |
男子の2大会連続のメダル獲得、女子の金メダル獲得に向けて、ぜひご声援をお願いします。
デフ卓球の特徴と卓球の基本ルール
デフリンピックの卓球競技は、一般的な国際大会のルールに準じて行われます。一方で、聴覚障害のあるアスリートが出場するデフリンピックの特徴から、独自の仕組みが設けられている部分もあります。
デフ卓球の特徴

デフリンピックの卓球競技に出場するのは、聴覚障害のあるアスリートたち。普段は補聴器を使っている選手も、競技中は外さなければなりません。そのため、いずれの選手も聴覚による情報の把握ができないという特徴があります。
そこでデフリンピックで採用されている仕組みが、視覚情報や手話を使ったコミュニケーション。試合開始の合図にはランプやフラッグが、試合中の選手へのアドバイスには手話などが使われます。
ただ、試合中のアドバイスに使える時間は1分以内であり、非常に短い時間です。効率的に選手に伝えるには、通常の手話だけでは間に合いません。そこで、デフ卓球では、“事前にサインを決めて簡潔に伝える”という方法も採られています。
試合に臨む選手自身も、相手の打つタイミングや打ち方を観察して判断します。速い試合展開における即座の状況把握と勝つための判断を、専ら目を頼りに行っているのです。
卓球の基本ルール

ここで、改めて卓球の基本ルールをおさらいしておきましょう。
卓球は、選手がラケットを使って、台上のネット越しにボールを打ち合い、返球に失敗したときに相手に点が入る競技です。1ゲーム11点制で、シングルス・ダブルス・団体戦があり、男女別に行う種目と男女混合で行う種目があります。
多くの大会では、
- 男子シングルス・女子シングルス
- 男子ダブルス・女子ダブルス
- 混合ダブルス
- 男子団体戦・女子団体戦
という7種目が実施されます。
試合の勝敗を決める形式は、3ゲーム先取制(5ゲームズマッチ)と4ゲーム先取制(7ゲームズマッチ)です。
【試合の2種類の試合形式】
| 5ゲームズマッチ | 5ゲームのうち先に3ゲーム取ったほうが勝利 |
| 7ゲームズマッチ | 7ゲームのうち先に4ゲーム取ったほうが勝利 |
5ゲームズマッチで戦うか7ゲームズマッチで戦うかは、各大会の規定によって異なります。予選では5ゲームズマッチ、本戦では7ゲームズマッチとなることも珍しくありません。
なお、1ゲームで10-10になったあとは、2点差がつくまで試合が継続されます。1ゲームが終わると、次のゲームまでに1分間の休憩が入ります。
サービス、レシーブ、チェンジエンドのルール
1ゲームの1球目は「サービス(サーブ)」と呼ばれます。手のひらにボールを置き、真上にトスしてボールが落ちてきたところを打つという、私たちもよく見ている打ち方です。
トスは手のひらから16cm以上上げ、自分のコートに1回、相手のコートにも1回バウンドするように打ちます。もしサービスで打ったボールがネットに当たって相手コートに入った場合(ネットイン)は、ノーカウントでやり直しです。
サービスは2本ごとに交代で行いますが、点数が10-10になったあとは、1本ごとに交代します。
【サービスのルール】
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サービスを打ち返すことは「レシーブ」と言います。2球目以降は、自分のコートに1回バウンドしたらボールを打ち返します。ノーバウンドで返球すると反則になり、相手に1点が入ります。自分のコートで2回以上バウンドした場合や、ラケットを持っていないほうの手(フリーハンド)が台に触れた場合もミス。相手側の得点となります。
ただし、2球目以降のネットインは返球成功と見なされますので、相手が打ち返せなかった場合は自分に点が入ります。ここはサービスと異なるポイントです。
【2球目以降のルール】
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こうしてどちらかが先に11点を取るか、10-10のあとで2点差が付くと、1ゲームが終わります。1ゲームの終了時は、コートを交代する「チェンジエンド」を行います。
【チェンジエンドのルール】
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チェンジエンドで気をつけたいのは、最終ゲームです。最終ゲームでは、ゲーム終了時ではなく、どちらかが5点に達した時点でチェンジエンドが行われます。通常のゲームより頻繁にコートの交代が行われるため、「いよいよ大詰め」という緊張感が高まります。
イエローカード

卓球競技でのイエローカードは、「バッドマナー」に対して与えられます。バッドマナーを繰り返す選手・チームがいる場合、相手に点が与えられることもあります。
バッドマナーには、例えば以下のものがあります。
【卓球のバッドマナーの例】
- 大声で叫ぶ
- 汚い言葉を使う
- 相手を威嚇する
- わざとボールを潰す
- わざと競技領域外にボールを打って出す
- 卓球台やネットを乱暴に扱う
- 競技役員の指示を無視する
イエローカードを与えられた監督やアドバイザーがバッドマナーを繰り返す場合は、レッドカードが与えられ、競技場所から遠ざけられます。
ダブルスと団体戦のルール
ダブルスは、2人1組となって戦う種目です。パートナーと交互にボールを打たなければなりません。
サービスも、ボールをどこにバウンドさせるかが決められています。サービスを打つ側(サーバー)側のコートの右半面に1回バウンド、相手側のコートの右半面にも1回バウンドさせるという対角線上に打つルールです。ダブルスでも2本ごとに相手とサービスを交代します。
団体戦では、3人以上で構成するチームで戦います。1チーム何人になるかは大会規定によって異なります。オリンピックや世界選手権では1チーム3人ですが、デフリンピックでは4人で構成するパターンが多いようです。チームメンバーが力を合わせて5試合行い、勝利数が多いチームが勝ちます。
団体戦の試合の構成は、シングルスとダブルスで構成するケースと、シングルスのみで構成するケースがあります。
打ち方の種類を知ると観戦の楽しさアップ!
最後に、卓球観戦をより盛り上げる打ち方の種類をご紹介します。速いテンポのラリーや強烈なスマッシュなど、息つく間もない展開が魅力の卓球は、選手たちが使い分ける様々な打ち方を知ると、より楽しめます。
基本としておさえたいのは「フォアハンド」と「バックハンド」です。
| フォアハンド | ラケットを持つ手の方向に来たボールを打つときの基本の打ち方 |
| バックハンド | ラケットを持つ手と反対の方向に来たボールを打つ打ち方 |
これらをベースに、ボールの回転や打つ位置、ラケットの向きなどを変えながら攻撃的な打ち方や守備的な打ち方を使い分けています。
【攻撃的な打ち方の代表例】
| ドライブ | 強い上回転をかけ、大きな弧を描く威力のあるボールを打つ方法。軌道をコントロールしやすい |
| スマッシュ | 高い位置にあるボールを速く勢いよく相手コートに打ち込む方法。得点を狙うときに使われる |
【守備的な打ち方の代表例】
| ショート | 台に近い位置で、バックハンドで押し出すようにする打ち方 |
| ブロック | ラケットを少し伏せた状態でボールの威力を削ぐ打ち方 |
| カット | 相手のドライブボールに強い下回転をかけて威力を削ぐ打ち方 |
ほかにも、次のような打ち方があります。
【卓球の様々な打ち方】
| フリック | 小さく強くはじくような攻撃的な打ち方 |
| チキータ | バックハンドで横上回転をかける攻撃的な打ち方 |
| ミュータ | バックハンドで、チキータとは逆の回転をかける打ち方 |
| ツッツキ | 下回転がかかったボールに対して、ラケット面を上に向けて回転に逆らわずに返す打ち方。攻守どちらにも使われる |
| ストップ | 相手コートで2バウンド以上になるような、ボールの勢いを殺す打ち方 |
どの技が得意なのか、どのような戦略で戦っているのかなど、選手たちと同様に目だけで観察してみると卓球の新しい面白さを発見できるでしょう。
【参考】
- 卓球|東京2025デフリンピック
- 第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025 卓球競技|日本卓球協会
- 第25 回夏季デフリンピック競技大会 東京2025 日本代表選出について|日本ろうあ者卓球協会
- Table Tennis|DEAFLYMPICS



